所得税コントロール方法

働けど働けどなおわがくらし楽にならざり ぢっと手を見る

FP盛岡の地元岩手県盛岡市出身の歌人、石川啄木が明治時代につくった短歌です。現代の皆さんも共感できる歌ではないでしょうか。

というのも、令和3年給与所得者の平均給与はだいたい月37万円ですが、手取りは29万円です。昇給率平均が2%なので7,400円月額給与が上がって税金が500円ほど・社会保険料がへたをすると1,800円上がってしまうと手取りとして増えるのは5,000円弱。どうにもならないとわかっていても「ぢっと手を見」たくなりますね。

自分の所得税率、答えられますか?

ライフプランの設計の第1歩目が夢を描くところだとすると、次のステップは夢をかなえる手段を考える・行動計画をつくっていくところです。

マネープランが必要になるので、簡単に言うと現在の収入と支出を確認して余剰資金を見ていきますが、自分が受け取っている給与額とひかれている税金・社会保険料の額を把握されている人はほとんどいません。金額として正確に言えなくても、所得税率が何パーセントかをわかっているだけで、拍手と言っていいでしょう。

サラリーマンで、1社からもらっているお給料だけが所得だという人は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額が195万円未満であれば5%、それ以上で330万円未満は10%、さらにそれ以上で695万円未満の場合は20%という具合に最高で45%になります。

この「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額のことを、『課税所得額』と言います。文字通り、税金が課せられる所得金額になります。計算式から気づいている人もいるかもしれませんが、所得控除の額が多ければ多いほどこの課税所得額は少なくなります。

所得控除には「社会保険料控除」「配偶者控除」「扶養控除」「医療費控除」「生命保険料控除」「寄付金控除」などがあります。これらの控除をうまく使って課税所得額を少なくし、所得税額を減らすことができます。

所得税をコントロールする

控除をうまく使うといっても、「配偶者控除」や「扶養控除」のために結婚したり子供をつくったりはできませんので、着目したいのは「社会保険料控除」です。

所得税の控除という言葉をよく聞くのは、生命保険の契約の際ではないかなと思います。保険料も月に「〇〇円だけですし、税金も控除になるんですよ」という具合です。

けれども、「社会保険料控除」というのは上限のない控除です。支払った社会保険料は全額、所得額から差し引かれます。つまり支払った社会保険料×所得税率が戻ってくることになります。

社会保険料なんて自分で増やせるの? と思いますか?

社会保険料を増やす方法のひとつがiDeCoです。iDeCoについてはこちらの記事で!