サラリーマンのみなさん、今年の住民税額の通知はもう受け取りましたか?
圧着された通知書(お住まいの市町村によっては圧着されていないかもしれません)をペリペリと開き、税額を確認した瞬間「うわ、こんなに?」というのが多くの方の感想だと思います。
特にこのブログを見に来てくださっている方は扶養者がいない場合が多いので、その分税額はどうしても高くなりがちです。
せっかくの機会ですので、高い高いと嘆いて終わりではなく、その税金について少し考えてみましょう。
節税にはiDeCoが効きます
節税と言えばiDeCoとは聞くけれど、いったいどのくらいが節税になるのでしょうか。
今回は、自分一人、あるいは夫婦二人で老後を支えるアラフィフ世代に向けて、iDeCoを使った場合の「具体的な節税シミュレーション」を分かりやすくお届けします。あなたの人生の手綱を、税金から自分の手に取り戻すための羅針盤として、ぜひ最後までお読みください。
なぜ「税額を知る」だけで終わっては損なのか?
仕事で、「自分の年収や、大体の税額は把握しています」という素晴らしい方に出会うことがあります。しかし、そこで止まってしまっている場合もあり、すごく残念に思います。
税額を知ることは、家計の現在地を知る第一歩。ですが、本当に大切なのはその先です。日本の税制には、「自分で自分の老後を準備する人には、税金を大きくサービスします(控除します)」という、合法的なボーナスルールが用意されています。その代表格がiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
iDeCoの最大の武器は、「拠出した掛金の全額が所得控除になる」ということ。
つまり、iDeCoにお金を回すと、その分「あなたの今年の年収は、少なかったことにしますね」と国が認めてくれ、所得税と住民税が安くなる仕組みです。
では、おひとり様や子なし夫婦が多いアラフィフ世代(50歳)が、毎月2万3,000円(会社員・企業型年金なしの限度額)をiDeCoで積み立てた場合、具体的にいくらの税金が戻ってくるのでしょうか? 実際の数字を見てみましょう。
【年収別】65歳までの15年間でいくら戻る?
2026年現在の制度では、65歳になるまで(最長15年間)掛金を拠出することができます。「50代からじゃ期間が短くて意味がない」なんてことは決してありません。残された現役期間が短いからこそ、今すぐ受け取れる「節税の果実」は大きいのです。
所得税の税率は年収(課税所得)によって異なりますが、住民税は一律約10%です。これらを合わせ、毎月2万3,000円(年間27万6,000円)をiDeCoに拠出した場合のシミュレーションがこちらです。
◆ パターンA:年収500万円(所得税率10% + 住民税率10% = 計20%)の場合
- 1年間に戻ってくる税金: 55,200円
- 15年間(50歳〜65歳)の累計節税額: 828,000円
◆ パターンB:年収700万円(所得税率20% + 住民税率10% = 計30%)の場合
- 1年間に戻ってくる税金: 82,800円
- 15年間(50歳〜65歳)の累計節税額: 1,242,000円
※一般的な会社員、各種控除を考慮した概算です。お住まいの地域や他の控除(住宅ローン控除など)の状況により前後します。
| あなたの年収 | 1年間の節税額 | 15年間の累計節税額 |
| 500万円 | 55,200円 | 828,000円 |
| 700万円 | 82,800円 | 1,242,000円 |
いかがでしょうか? 「じっと手を見る」だけでは1円も変わらなかった現実が、iDeCoという窓口を通すだけで、15年間で約80万〜120万円以上ものお金となって、あなたの手元に帰ってくるのです。このお金は、誰のものでもありません。国に納めるはずだった、あなたの正当なお金です。いわば国からのボーナスです。
「所得税率の確認方法」
サラリーマンで、1社からもらっているお給料だけが所得だという人は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額(課税される所得金額)が195万円より低ければ5%、195万円以上330万円までは10%、さらに330万円以上695万円までは20%という具合に、所得に応じて段階的に高くなり、最高で45%になります。
(※実際の所得税の計算では、これに加えて復興特別所得税などが上乗せされます)2026年分については基礎控除と給与所得控除の額が変更になるため、給与額が同額の場合は2025年の課税される所得額よりは下がります。より詳しい計算についてはお問合せ下さい。
戻ってきた税金は「どこ」にいく? 知っておきたい還付の舞台裏
「なるほど、これだけのお金が戻ってくるんだな!」とワクワクされた方に、事前に知っておいていただきたい「小さな舞台裏」をお話しします。
実は、この戻ってくるお金は、ある日突然、通帳にドンと「10万円」と振り込まれるわけではありません(※一部、確定申告をする場合を除きます)。
- 所得税(全体の約半分): 年末調整のあと、12月や1月の給与明細の「過不足還付金」という欄にひっそりとプラスされて戻ってきます。これが俗に言う「お小遣いが入った!」と嬉しくなる瞬間ですね。
- 住民税(残りの半分): 翌年6月からの住民税が安くなります。つまり、毎月の給与から天引きされる住民税の額が減るため、結果として「毎月の手取りがじわじわ増える」という形で恩恵を受け取ることになります。
「一括で通帳に入らないなら、なんだか実感が湧かないな」と思われるかもしれません。だからこそ、増えた手取り分を「なかったもの」として、さらに貯蓄に回したり、NISAの原資にしたりする工夫が、賢いセカンドライフプランには欠かせないのです。
投資の波に怯えない! iDeCoがアラフィフ世代に「確実な盾」となる理由
「新NISAも話題だし、投資は始めてみたいけれど、元本割れのリスクが怖くて……」
そんな声を、特に50代前後の方からよく耳にします。残された時間が若い世代よりも短いからこそ、慎重になるのは当然の防衛本能です。
しかし、iDeCoの「節税効果」の最大の特徴は、【投資の運用成績に関係なく、始めた瞬間からリターンが確定している】という点にあります。
例えば、年収700万円の方が年間27万6,000円をiDeCoに拠出した場合、最初の1年で82,800円の税金が確実に浮きます。これ、投資の利回りに換算すると「確実な年利30%のメリット」※を受け取っているのと同じことなのです。どんなに優秀な投資信託でも、毎年確実に30%の利益を出すことは不可能です。(※その年の拠出金に対して、である点は注意してください)
極端な話をすれば、iDeCoの口座内で「元本確保型(定期保険や定期預金など)」の手堅い商品を選んだとしても、この節税メリット(年利20%〜30%相当)は丸々あなたのものです。
不確実な未来の運用益を追いかける前に、まずは足元の税金をコントロールして、確実に「自分のお金」を守る。これこそが、おひとり様や子なし夫婦が最優先で手に入れるべき「自分を守る盾」の正体です。
さらにiDeCoでは「元本確保型商品」の「元本変動型商品」を両方に投資することもできるので、8割は元本を確保しながら残りの2割で少しだけチャレンジしてみよう、ということも可能です。
じっと手を見るのをやめて、源泉徴収票を開いてみよう
ただ「税金が高い」と嘆き、公務員を税金ドロボーと呼ぶだけというのは、非常にもったいないことです。自分の税額を知ることは、未来を変えるための「問いの提示」です。
「私はこれまで、いくら払ってきたんだろう?」、「そして、これからはいくら取り戻せるんだろう?」
まずは引き出しの奥に眠っている「源泉徴収票」を手元に用意してみてください。そこに書かれた数字こそが、あなたのセカンドライフを豊かにするための宝の地図になります。
「面倒くさそう」「手続きがよくわからない」という高い壁に阻まれて立ち止まってしまうのはもったいないことです。羅針盤はここにあります。まずは自分の税金を取り戻す、その最初の一歩を踏み出しましょう!
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